母を楽しむネイビー服とコラム
ーゲスト・青木裕子さんー

“きちんとした自分を装う”
私がネイビー服を着る理由

ネイビーとのお付き合いが始まったのは、幼稚園の見学に参加しはじめた頃。
当時は選択肢も少なく、同じようなシルエットのものを“制服”のように着回していました。
それが今では、シンプルだけどふわっと裾が広がるワンピースを選んでみたり、
ネイビーのトーンを揃えて同じブランドでまとめてみたり——
装いに“私らしさ”を加える楽しさも見つけられるようになりました。
それでも変わらない想いがあります。
それは、ネイビーを纏うとき、主役はあくまで子ども。
私は母として、凛と見守る立場でありたいという気持ち。
きちんとした自分でいたくて、ネイビーを選ぶのかもしれません。

保護者会や参観日は、
優しい私でいたい

子どもたちのいる教室に向かう参観日などは、優しく見守る自分でいたいなと思って、 柔らかい印象のネイビー服を選びます。また息子たちのクラスメイトは、共に成長を見守ってきた“家族”のような存在。話しかけてくれるからこそ、子ども目線で“かわいいね”って褒めてもらえるような、ちょっとしたポイントを取り入れるのが好きです。今回は、さりげない後ろリボンが素敵なバレリーナスカートを選びました。参観日の前に学校のママたちとカフェでお茶をしてから向かうことも多いので、その場でも浮かない“おしゃれさ”は大切にしています


子育ての中で楽しいと感じるのは、自分の世界が広がっていく瞬間。たとえば、普通に過ごしていたら出会えなかった友人に、子どもが仲良しという共通点から出会えたこととか。お話すると色んな刺激をもらえて、とっても楽しいです。あとは、全然好きじゃなかった昆虫の飼育も(笑)。子どもが出会いを作ってくれて、新しい世界に連れてってくれる。子育てって大変だけれど、自分が成長するチャンスを与えてくれる気がします

役員活動は適度な緊張感を
ネイビーに託して

保護者だけで行う役員の集まりなどでは、まず動きやすさが第一。荷物を運ぶこともあるので、先生と会わない日は、ジャケットではなくジレくらいまでなら崩してもいいと思っています。とはいえ、“役割を担う”という意味では、きれいめなシルエットで少し背筋がのびるような緊張感を、服にも求めていたいなと思います


”子も子なら、親も親”という言葉がありますが、私はなるべくなら親と子どもを同一視しないようにしています。成長過程の子ども同士ですから、喧嘩をすることもあるし、嫌なことをすることだって、されることだってある。それを親の関係に反映させていたら際限がないから、一緒にいて心地良いなら子どものことは切り離してお付き合いをすればいいと思います。また、他のご家庭の教育方針に口をださないことも大切。尊重し合う距離感は意識していたいなと思います。

正装で向かう日は、
“雑音のない装い”を選ぶ

記念日や式典など、きちんとした場には、ジャケットありきの正装で向かいます。 その際に大切にしているのは、“雑音が入らないこと”。アナウンサー時代、ニュースを読む衣装にも同じことを求めていました。衣装に気を取られてニュースの内容が入ってこないのは避けたかったからです。理想は、主張しすぎず、静かに“素敵だけが残る”装い。キャサリンドレスは、まさにその理想を叶えてくれる一着です 。


今は便利な時代で、連絡も習い事の様子も動画やメールで届きますよね。それがありがたい反面、全部を把握してしまうことで、つい口や手を出したくなる。お互いに疲れてしまう前に、“どう手を離していくか”が私のテーマになっています。今は、ホワイトボードに予定を書き出して、子ども自身が自分で考えて動けるよう、“見える化”から始めています。何が我が家にとって正解か手探り状態ですが、私なりに子どもたちに向き合って行こうと模索中です。
Profile
モデル・フリーアナウンサー・文筆家
青木裕子
TBSアナウンサーとして活躍後、独立。現在はフリーアナウンサーとしてテレビ番組への出演やMCを務めるほか、ファッション誌のモデルや文筆業など、多方面で活躍している。二児の母としての経験をもとに、著書『3歳からの子育て歳時記』(講談社)を出版し、教育や子育てに関するコラムの執筆も行っている。
構成・文/高橋夏果