がんばりかたを変える勇気
ーアナウンサー川畑 一志ー

「がんばりすぎないで」と言われる時代。けれど、仕事もプライベートも踏ん張らなきゃいけない瞬間は誰にでも訪れる。結局のところ、“がんばり方”ってどうすればいいのだろう? そんな普遍的な問いに、現役アナウンサー・川畑一志さんが自分らしい向き合い方のヒントをくれました。
がんばる理由を、自分の心に問いかける

ーー川畑さんご自身も、がんばりすぎていた経験はありますか?
入社してしばらくは、ジタバタもがいていました。アナウンサーとしての力量も足りない中、経験したことのない新しい仕事と、アナウンサーに対する周囲からの期待の大きさの間に揺れていました。まさに暗中模索していたように思います。
上司や先輩に褒めてもらおう、会社から良い評価を得よう、周りのスタッフに認められたいなどと思いすぎると、最初はモチベーション高く取り組めるのですが、徐々に向上心が形骸化。気づけば「自分が望んでしていることだったかな…?」と迷ってしまいました。
ーー期待に応えようとがんばるうちに迷う。そのお話に共感される方が多いと思います。どのように乗り越えたのでしょうか。
大事なのは、主体性を持つことだと気づいてから少しずつ変わっていきました。「頑張らされている」のではなく「がんばることを自分で決める」か、ということです。
大変だなと感じていても、自分が選んだことだと“がんばろう”という気持ちが前向きで、仕事にハリが生まれる感覚がありました。良い結果が出た時にも、自分で決めてやったことのほうが喜びが大きいです。なので、担当する業務の一つ一つやその準備に対して、「私はこの仕事をしたいのか?」「なぜ一生懸命取り組むのか?」と自分の気持ちを確認する作業をしています。がんばる意義を考える時間を作るのはおすすめです。
ひとりでできることは限界がある
必ず優先順位をつけて

ーー自問自答をして、いざ、がんばろう!となった時、“がんばりどころ”と“力の抜きどころ”をどう見極めていますか?
それは、本当に自分がやるべきことなのかを見極めて判断しています。実は、あれもこれも私がしなくては!と抱え込んでしまうタイプなのですが、自分1人でできることには限界があります。周囲の人と力を合わせてこそ大きな成果を得られると思うので、他の人にお願いできる事は信頼してお任せするようにしています。その分、自分を信じて託してもらった部分に関しては全力で頑張ります!
ーーそれでも、結果に繋がらないときはあると思いますが、どう気持ちを切り替えていらっしゃいますか。
いったん止まって深呼吸。そこまでの自分のがんばりを振り返り、自分自身を褒めます。結果につながらないことで落ち込んだ自分の心が元気になったら、求める結果とそのためにどう頑張ってきたのかを振り返ります。
目指すゴールがずれていれば修正し、進み方に改善点があれば少しずつでも直していきます。そこまで決まれば後は実行あるのみ!おいしいコーヒーでも飲みながら少しずつ頑張っています。
スケジュール管理を徹底して
自分の行動をコントロールする

ーーがんばりすぎないためのセルフルールがありましたら、知りたいです!
スケジュール管理を徹底しています。ワークライフバランスを整えるためにタスクの調整をするのではなく、時間で区切って自分の行動をコントロールしています。
仕事が終わらず残ってしまう日もあるけれど、それでも自分で決めた時間に帰り、家族との時間を大切にします。優先順位を間違えないことががんばりすぎないための習慣です。
ーー最後に、川畑さんにとって“がんばる”とはどんなことでしょうか。
不器用な私ができる唯一の価値提供であり、自分を褒めるきっかけ作りだと思います。
要領が悪くてもセンスがなくても頑張ることはできますし、頑張れたら「自分、よく頑張った!」と思えますから。
profile
川畑一志
日本テレビアナウンサー。“縁ある方々に喜んでもらえるように仕事をする”を大切に、自分らしい働き方を実践している。
構成・文/高橋夏果