「“起きたことが正解”漠然とした不安は手放します」
ー揺れ動くマインドの立て直し方ー

新しい環境に少しずつ慣れてきた頃、ふと訪れる心の揺らぎ。仕事復帰、異動、転職…“ちゃんとしなきゃ”と思うほど、自分を見失いそうになる日は誰にでもあるもの。環境の変化と向き合いながら走り続ける日本テレビアナウンサー・浦野モモさんに、“自分らしさ”を立て直すヒントを伺いました。
profile 浦野モモ

日本テレビアナウンサー。モットーは「その日、その瞬間にしかできない仕事をすること」。休日はゲームやピアノ、ベース演奏、本棚整理をして過ごすなど、感性を整える時間も大切にしている。
不安な気持ちは、“因数分解”をすると
ーー5月病という言葉があるほど、働く心が揺らぐ時期。浦野さんも経験ありますか?
この春から『バズリズム02』を担当することになって、『ヒルナンデス!』の生放送担当日が変わったり、報道フロアでニュースを読む機会が増えたりと、私自身もまさに環境が変わった時期でした。
でも実は、昔から“緊張”や“プレッシャー”を感じにくいタイプなんです。なぜかというと、いつも自分の中で意識していることがあって。それは、“不安な気持ちを因数分解すること”です。
今感じているこの気持ちは、ほどよく持っておくべき良い緊張感なのか。それとも、自分らしさを出せなくなってしまうネガティブな不安なのか。さらに言えば、準備不足からくる焦りなのか、「ここまで準備したのに、うまくできなかったらどうしよう」という怖さなのか。
そうやって細かく整理していくと、「じゃあ何をすればいいんだろう」が見えやすくなる気がしています。
漠然とした不安って、すごく大きく感じてしまうけれど、自分がどんな時に戸惑いやすいのかを把握しておくと、対処法も明確になる。少しだけ、自分を客観視できるようになる気がするんです。
「“できないこと”ではなく、“今できること”を見る」
ーー自分の心を立て直すために、意識していることがあると伺いました。
3歳から18年間、クラシックバレエを続けていました。
その中で一番印象に残っているのが、全国コンクールの直前に靱帯を損傷してしまったことです。当時は、本当にその舞台にすべてをかけていたので、踊れなくなった時はすごくもどかしかったです。
でも、その経験があったからこそ、“できないことばかりに目を向けない”という考え方を持てるようになりました

脚を動かせないなら、上半身の動きを研究してみようとか。レッスン見学や、プロのダンサーの映像を見る時間に使ってみようとか。
もちろん最初から前向きになれたわけではないです。でも、「今の自分にできることって何だろう」と考える癖がついたことで、気持ちの切り替えが少し早くなった気がします。
環境が変わる時期って、自分の理想通りにいかないことも多いと思うんです。でも、そんな時こそ、“失ったもの”ではなく、“今持っているもの”を見つめることが、自分を立て直すきっかけになるのかなと思っています。
「“起きたことが正解”この言葉を大切にしています」
仕事でもプライベートでも、「このままでいいのかな」と不安になる瞬間って、きっと誰にでもあると思います。
私自身も、環境が変わるたびに、「ちゃんとできるかな」と考えることはあります。でも、そんな時に思い出すのが、“起きたことが正解”という言葉です。
その時は思うようにいかなかった出来事でも、何年か後に振り返った時、「あの経験があったから今がある」と思えることって、意外と多い気がしていて。
だから今、もし心が揺れ動いている人がいたら、「ちゃんとしなきゃ」と自分を追い込みすぎなくていいですし、すぐに答えが出なくても大丈夫。今起きていることも、きっと未来の自分につながっていくものだと、私は信じています。
構成・文/高橋夏果