仕事において、『自分のアイデアを実現させる力』が試される時代。アナウンサーでありながらアウディーレを立ち上げた郡司恭子さんは、まさに時代にフィットした実行力とプレゼン力を合わせ持つ女性。そんな彼女の思考回路をドラマ仕立てで紐解きます!
\リアル主人公/
日本テレビアナウンサー/アウディーレディレクター
郡司恭子さん
アナウンサー業と並行して、日本テレビ初のアパレル事業を社内の企画応募制度をきっかけに立ち上げる。本業も大切にしながら仕事の幅を広げていく姿勢と有言実行力は、スタッフに一目置かれている。
【STEP1】3ヶ月後にアウディーレのリアルイベント実施企画プレゼンが決定!
「実施可否については、プレゼンにかかってる」と上長からお達しを受けた郡司さん。
早速、スマホを片手に郡司さんが取った行動は……?
『チーム全員が同じ方向を
向くように、舵取り開始!』
話をもらった後すぐに、チームメンバー全員が集まれるスケジュールを確保。
イベント実施に関するプレゼンは、“実施する価値があるイベント”と思ってもらうことが重要。チーム内でその共通認識が持てるかどうかが成功のカギだと考えているため、再確認する時間を作ります。チーム全体で、そのゴールのために何ができるかを話し合うのが一番最初の作業。
ディスカッションの内容は、得意分野に特化した知見のシェア。
チーム内には、数字面のプロ、クリエイティブのプロ、店舗接客のプロがそれぞれいるので、各自が得意なジャンルの知見を持ち寄ってイベントに必要不可欠な要素を具体化していきます。
【STEP2】イベントコンセプトのアイデア出し作業へ。チームの意見をまとめてパソコンに向かうと思いきや、バッグを持ち席を立つ郡司さん。行き先は……?
『リファレンスを、
自分の足で集めに行きます』
他社比較も含めて、どんなイベントにしたら良い体験をして頂けるかは、頭で考えるよりも街を歩いたり、商業施設を見て回ったりすることで、イメージを膨らませます。
思いついたアイデアはSNSを使ってチーム内で随時共有。言葉でなくコンセプトやデザインを可視化できるムードボードを共有することが多いですね。
【STEP3】企画書の概要を書き上げ、プレゼン前に一度上長に提出。しかし「決め手にかける」との回答。すかさず、仕事の先輩にアポイント連絡をいれる郡司さん。
『採用された過去の企画書を
勉強しに行きます!』
アイデアにつまづいたら、過去に上司や同僚が提出して採用された企画書やプレゼンを参考に見せてもらうこともあります。ただ、資料を作り始める段階で見てしまうと似せてしまったり、影響を受けすぎてしまったりするので、まずは自分で一旦最後まで資料を作ってみてからが鉄則。
本も読みますが、私の場合は資料を作る段階で読んでしまうと、余計に考え込んでしまう癖があります。本を読むというようなインプット方法は、プレゼンをするタイミングではなく、日常の中で時間をつくって取り組んでいます。
余談ですが、イベントについて詳しくない人、内容にネガティブな印象を持っている人にこそ話を聞いて、プレゼン内容をブラッシュアップします。気持ちはすり減るけれど、この工程をふむことで【つっこまれそうな隙】をなくしていけますし、想定問答集も準備できます!
【STEP4】プレゼン3日前!アナウンサー業と並行して企画書の仕上げ。両立させるべく、思考をフル回転。
『アナウンサーと新規事業、
スケジュールは区切らず臨機応変進行』
この日の2時間を新規事業に充てる、と時間で区切ってしまうとスケジュール通りにいかなかった時がストレスで余計手間取ります。なので自分の一週間を、インプットの時間か、アウトプットの時間か?と臨機応変に気分を区切って考えるのが自分なりの両立のコツです。(アナウンサーとしてのレギュラー業務の準備やオンエア時間はもちろん除く)
あくまで私の方法ですが、アイデアを出す時と、まとめる時は使う思考が違う…と感じているので、時間というよりも、インプットアウトプットという分け方が、アナウンサー業務としっかりけじめをつけられる方法です。
ちなみにプレゼン資料は、3日前に完成させ、残りの2日はプレゼン練習に充てます。
【STEP5】プレゼン当日の朝。クローゼットを開けて、郡司さんが手に取ったお洋服は……
『控えめな華とマナーを守る、
ミリーニットドレスで勝負!』
当日の服装には、情報の邪魔をしない&マナーを守ることを第一条件にしています。派手な色や華美なデザインは服に目がいってしまうため選びません。最低限のマナーを守る中で、自分が自信をまとえるアイテムを合わせます。ミリーニットドレスは、私の中で勝負の日の大本命!
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【STEP6】緊張のプレゼン当日。プレゼンを始める郡司さん。意外にも大切にしていることは…
『用意した言葉以外に、その時出てくる自分の言葉も大切にする』
資料作りの段階で【伝えたい事・伝えるべき事】は自分の中でもう明確になっているはず。資料を見ているだけだと、言葉や熱量は伝わりづらいので、相手の目を見て、その時出てくる自分の言葉も大切にしています。想いから紡ぐ言葉のほうが体温が宿り、相手に伝えることができると考えています。
また質疑応答に備えて作っておいた想定問答集も、頭に入れておくことが大切。基本的に答えるのが難しいのは、ポジティブな質問やエールでなくてネガティブな指摘のはず(笑)。いわいる[重箱の隅を突かれる]ようなことを言われても、対応できるように準備をしておくと、プレゼン前の緊張が和らぐし、心に余裕が生まれます。
イベント実施プレゼンは無事、成功で終了!チームメンバーと喜びも束の間、イベント準備に取り掛かる郡司さんでした。
Fin……
\アイデアを採用してもらうためのモットー/
一番大切にしていることは、ネガティブな指摘や、批判も激励や宿題と捉えることです。一度アイデアを否定されたら折れてしまうのではなく、どう改善できるか?を考えて、企画アイデアをブラッシュアップし続けることだと思っています。
取材・文/高橋夏果