\お話を伺ったのは…/
モデル・実業家 牧野紗弥さん
私らしいネイビーを見つける。
それは、母として大切にしたい
自分の軸を明確にできる機会
多様性がある今だからこそ、母として学校に向かう時の装いも自由でいい。一方で、多様性があるからこそ、学校に行く機会が多ければ多いほど、選択肢が多くて何を着ていけばいいのか分からなくなってしまうのが、本音ではないでしょうか。
そこで私が提案したいのは、
母として1本ブレない軸を持つことです。
たとえば、『どんな時でも、凛としていたい』と思うのならば、ネイビーの中でも品を感じる上質なウール素材に、背筋が伸びるコンサバティブなシルエットを選ぶ。
『女性らしさを忘れたくない』と思うのならば、フェミニンなフレアスカートにカチュームを選ぶ。
研ぎ澄まされた選択肢の中で揃えるネイビーは、考え事も多く、日々のスケジューリングに追われる中でも、『自分が母として大切にしたいこと』を改めて教えてくれます。
私立だからネイビーの服を着なければならない。そうではなくて、私は母としてこうありたいから、これを着る。もっと自分らしく、自分のためにネイビーを楽しんでほしいと思います。
牧野紗弥さんが提案する
アウディーレの NAVY 4LOOK
【シーン1】 クラスの保護者会・授業参観
クラスの保護者会や授業参観へは、自分の気分の上がる要素を添えています。選んだのは、清潔感とエレガントさを兼ね備えた、キャサリン妃ワンピース。背筋がすっと自然と伸びる上品なシルエットは気分が上がります。今回はスカートを選びましたが、学校によっては、小さな椅子に座る場合も。その時は座り姿が綺麗に映るパンツスタイルがいいと思います。
また、なぜ保護者会のシーンを“クラスに限定したかというと、全校で行われる保護者会のときは、校長先生が学校としての指針をお話ししてくださいます。私は最低限のマナーとして、拝聴の姿勢を大切にしたいので、先生方の正装に合わせて、ジャケットを必ず着用するようにしています。
ジャケットなしのワンピースという装いなので、ジュエリーはパールとダイヤモンドを。髪はタイトにまとめて、正統派に仕上げます。
【シーン2】 運動会・スポーツ応援
私のブランドでも何を着たらいいのか聞かれることが多いのが、運動会。ひとつだけアドバイスをするとすれば、夏でなければ、肌見せの分量に気遣うといいかなと思います。今回は、素材がラクできちんと見えするシンプルな長袖のカットソーを選びました。トップスをシンプルにしたのは、ジュエリーで遊んだ方が無駄なネイビーに頼らず済むから。運動会くらいは、大ぶりのジュエリーをしてファッション感度を高めてもいいと思います。
スニーカーこそ、スタイルアップが必要。センタープレスと裾のカットワークで、華美にならずおしゃれが手に入るパンツはとても便利だと思いました。トップスもパンツも、ジャケットに合わせて他の行事でも使えることを想定しています。運動会の服こそ、着回しの効くミニマムさを基準にすると選びやすいと思います。
【シーン3】 幼稚園など、学校の送迎
お教室まで入らないことが多い送迎服。送り出した後は、習い事やお茶会、仕事など自分の用事を入れたいですよね。そんな時は、街中でも浮かないカジュアルの延長にあるようなシルエットが気持ち的にも心地よいと思います。送迎は日々あるものですから、洗い替えしやすいコットンシャツとワイドパンツが使いやすいはず。
あえてボウタイは結ばずに垂らすことで、ハンサムに。ゴールドのピアスとメンズの無機質な時計で、母の印象が強いネイビー服を都会的に更新。
【シーン4】 音楽鑑賞・学芸会
ネイビースタイルの中でも、子どもも正装でも行く音楽会こそ、ちょっと着飾ってもいい場所だと思います。楽しい行事に華を添えられる、ケープが新鮮なワンピースがいいなと思いました。会場が肌寒いこともありますから、ケープは頼れる存在だと思います。
私自身、3人の子育てをしてきて、授乳を考えながら上の子の行事参加で着る服に悩むことが多かったです。ケープドレスは授乳しやすい前開きのワンピース。ネイビーで前開きのものを探すのは大変なので、一着持っておくと重宝すると思います。
ネイビーの色味に迷ったら、
“黒に合うもの”を選ぶ
最後に、迷いがちなネイビーの色味について。お受験小物は黒ベースが多くなると思うので、黒に合うネイビーを基準にすると間違いないと思います。
また個人的にネイビーには、ブラウンに合うネイビーと、ブラックに合うネイビーがあると思っています。お持ちの小物がブラウン系なのか、ブラック系なのかで考えると、入学後の自分らしいネイビー選びが明確になります。
夏休みが終わると、いよいよ小学校受験は本番に向けて整えていく時期かと思います。振り返れば、登山に行ったり、釣りに出かけたり、手を繋いで図書館に行ったあの日々は大変だったけれど、子どもと真剣に向き合えた宝物のような時間でした。ぜひ最後まで駆け抜けて下さい。心より、応援しております。
モデル・実業家。三度の私立小学校受験を経験し、幼児教室の講演会のゲストとして招かれるなど、子育てへの姿勢にも注目が集まる。自身の経験から、仕事や子育てに勤しむ現代女性たちに向けたアパレルブランド『IVY』を立ち上げる。
取材・文/高橋夏果