仕事で生まれた”不満”の伝え方

ー仕事の流儀vol.3ー

不定期で更新中の仕事の流儀。5月は新しい仕事環境に慣れてきた時に読みたい、「不満の伝え方」をご紹介します。人間関係、昇進の評価、給与、タスクの量……納得がいかない出来事が生じた時、どう対処していくべきかを会社員として駆け抜けている日本テレビアナウンサーのお二人に伺いました。

 

 

\答えてくれたのは、この方々/

入社13年目・郡司恭子アナウンサー

アナウンサー兼新規事業部員。日テレの新規事業としてアウディーレを立ち上げた。仕事のモットーは「キャリアは1日にしてならず」で、感情に流されない冷静な対応を心がける。

 

入社8年目・伊藤遼アナウンサー

『視聴者の皆様に伝える情報を、まずは自分が全力で理解すること』をモットーにアナウンサー業に邁進中。誰とも打ち解けられる雰囲気作りとアナウンサー業への勤勉な姿勢は理想の働き方。

 

 

【ステップ1】

上司に相談する前に
“不安”なのか”不満”なのか
出来事と感情の背景を考えてみる

 

ー“なんでこうなるの?”と仕事でモヤモヤし始めた時、お二人はどう感情を整理しますか?

 

郡司さん(以下、敬称略):「仕事へ不満を感じ始めたら、誰かに相談する前に自分の抱えている感情が、不安なのか、不満なのかをしっかり自己判断するために熟考します。不満であるとした場合、その対象が何で、どんな事に満足がいっていないのかを紙に書きだす、などアウトプットするようにします。」

伊藤さん(以下、敬称略):「「僕はまず、自分が不満に思った出来事の背景を知ることから始めます。なぜそういうことが起こったのか、なぜこういう環境になったのか。上司や会社の方針もあるので、理由をある程度知ってからでないと不満に対して意見する権利がないと考えています。」

 

 

【ステップ2】

伝えるべき不満”と“自己解決すべき不満”を見分ける

 

不満を伝えることで、ネガティブな印象を与えてしまうこともあると思います。回避するための心得が知りたいです。

 

伊藤:「その不満の原因が他の人によって引き起こされているかどうか冷静に判断するといいと思います。自分の成長や努力で何とかなるならまずは伝えなくてもいいと思います」

郡司:「不満が自分の未熟さや、経験不足からくるものなら、時間や経験・学びで解決できるのではないでしょうか。例えば会社が自分に求めている事、会社が目指すビジョンがわからない、など、キャリアの道筋が見えなくなったときは上司に相談でいいと思います。不満の解像度をあげて、何をどう解決したいのかという具体的なところにまで落とし込んでから、あくまで”相談”してみると伝わりやすいと気がします」

 

 

【ステップ3】

「相談したいことがあります」
メールよりも直接ひとこと伝えると
誠意が伝わりやすい

 

ー上司に相談しよう!と決めた時、緊張するのがアポの取り方。お二人ならどうされますか?

 

伊藤:「内容の重さにもよりますが、正直に“○○に対してお話があるので、お時間いただきたいです”と伝えます。変にクッションとなるようなアプローチをしても、自分の話がしっかり届かない気がするからです。上司に対して相応の言葉使いや態度をしながらも、不満があるという雰囲気を出してアプローチします。 」

郡司:「フランクな雰囲気で相談したいなら、○○の件でご相談したいことがあり、お時間頂戴できませんか?とデスク付近で話しかけてみます。重め案件なら、直接相談にのって頂きたいことがあります、とこちらも直接話せる機会を探りまずは伝えてみる。周りに聞かれたくない場合はメールをすると思います。でも直接相談したいことがある、と面と向かっていったほうが誠意が伝わる場合もありそうですね。」

 

 

今、仕事に揺らいでいるなら
この言葉を思い出して!

 

ー最後に、今回は不満の伝え方でしたが、仕事自体に思い悩んでいる方にエールをお願いいたします!

 

“誰かに伝える勇気を持ってみてーby伊藤”

 

伊藤:「不満を持ち続け悩んで仕事のパフォーマンスが落ちたり、体調が悪くなったりするのはよくありません。同時になぜ自分が不満に思っているかを突き止め、原因を解決するために不満を対象の相手に話すことは決して悪いことではありません。自分の不満が客観的に正しいのか、周りの方に判断してもらってからでもいいので、伝える勇気を持ってもらいたいと思います」

 

“アンコントローラブルなことは、悩みすぎなくて大丈夫ーby郡司”

 

郡司:「「自身、最近仕事をするときに悩んだら、立ち返る言葉があります。それはアンコントローラブルな事に悩み”すぎない”こと。悩みというとネガティブなイメージの言葉ですが、考えた先に、解決の糸口が見えたり、予期せぬ明るい未来に出会えたりすることもある。だからこそ、自分の意志や手の届く範疇なら、多いに悩むことも、ときには解決策のひとつかもしれない。でも自分の手が及ばない範囲のことを思い悩みすぎても、どうにもならない‥ってこともある!それを忘れないだけで、救われることがあるんです。皆さんにいま、この言葉を伝えながら、改めて自分に言い聞かせています(笑)。助けも借りながら、悩む=考えるに変換して、より良い社会人生活が送れますように!」

 

 

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構成・文/高橋夏果

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